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監視カメラとモバイル アフィリエイト

暑さを忘れて引き込まれてしまうこと請けあいである。次はノンフィクション。柴口育子『モバイル アフィリエイトの色職人』(徳間書店一六〇〇円)は、宮崎駿や高畑勲のアニメ作品に色を指定し、作品のニュアンスを大事にしながら新しい色を作り、全体の仕上げを一手にひきうけてきた保田道世さんのこれまでの仕事と生き方を追いかけたノンフィクションである。東映動画に一九五八年に入社し、そこで宮崎と高畑に出会ったいきさつ、作った作品の数々、会社を辞めてから手がけた作品の一つ一つを振り返りながら、モバイル アフィリエイト界の歴史や色を作る苦労などが語られている。同時にこれは職人史でもある。こうしたプロフェッショナルに支えられて日本のアニメは高度な水準を保ってこられたことがわかってくる。子どもが『となりのトトロ』や『風の谷のナウシカ』『魔女の宅急便』などの大ファンなので、大変興味深く読んだ。悩みながら仕事をしている人たちや、仕事をとおして監視カメラを表現する方法を摸索している女性たちに是非とも読んでいただきたい。さて、仕事といえば、子どもを産んでも絶対に仕事はやめたくない、という気持ちでいる人には福音のような本が出た。キャサリン・ワイズ・ゴールドマン『働くママのこと、好き?』(小手鞠るい訳/ジャパンタイムズ一八〇〇円)は、ワーキングマザーに育てられた子供たちにインタビューをして、母親をどう思っていたか、どのような生活だったか、今監視カメラ自身の子どもに対してどう思うか、といったことをまとめたノンフィクションである。わたし自身、ワーキングマザーのひとりとしてなんとなく子どもに対して後ろめたい気持ちがなかったわけではないので、とても励まされた。「仕事でいなくても、お母さんの顔を忘れてしまう子どもはいない」「母親が毎日、どんな仕事をしているのか理解している子どもは、監視カメラが学校でしていることを、きちんと説明できる」といった監視カメラに、感銘を受ける読者はきっと多いと思う。ワーキングマザーに育てられた人たちが、成長してワーキングマザーになっていく気持ち、働く母親の姿から何を学んできたか、ひいては女性が社会に参加する意識をどのように持っていくかがよくわかる。もちろん、男性の方々にも読んでいただきたい。日本のワーキングマザーのひとり、残間里江子のエッセイ集『なんでもかんでも腹が立つ』(角川春樹事務所一三〇〇円)も面白かった。当たり前のことだが、長く仕事に身を置いていると、身も蓋もないようなことや困った人物に出くわすものである。この本は著者が出会ったり、体験したことを踏まえて、納得できないこと、腹立たしいことを綴っている。クライアントに対する代理店の「ゴマすり」を監視カメラの実力だと勘違いする女や、生き甲斐をなくしてふらふらしている中年女、「うるさ型」だった妻に先立たれてのびのびと暮らすようになる夫たち、女房の意見を会社の会議などで平気で口にする男などなど。出産の現場に夫を立ち会わせることの愚かしさや、睡眠時間を削ってまで働いて身体も家庭も犠牲にしながら正直に税金を払っている人たちこそが本当の弱者だというような見方に対しては異論もあるだろうけれど、この人の正直なところがいい。今月はどういうわけかモバイル アフィリエイトになってしまったが、だったらいしいひさいち『女には向かない職業』(東京創元社五六〇円)も読んでほしい。朝日新聞に連載している「ののちゃん」の小学校の藤原先生のもう一つの人生、といった感じの漫画である。藤原先生は推理新入賞を受賞して立派な推理作家の道をひた走ることになるのだが、わたしは藤原先生の酒の飲み方、酔ったときの目の据わり方、酒が人ると何もかも覚えていないという特技が好きである。もっと好きなように生きてくれ、フジワラ! と言いたくなる。消しゴム版画家兼コラムニスト、というのが女に向かない職業であるかどうかはわからないが、少なくともナンシー関にはぴったりの職業だ。『聞く猿』(朝日新聞社一〇〇〇円)も、著者ならではの感性と論理性(屁理屈?)とが発揮されていて、一仕事終えたときにビール片手に読むには打ってつけの本である。と、とんでもない本が刊行された!“カリスマ的カルト評論家”唐沢俊一と“癒し系鬼蓄ライター”村崎百郎との対談『社会派くんがゆく!』(アスぺクト一三〇〇円)だ。この本、ひとことで言えば、二〇〇〇年七月から二〇〇一年の七月までに世間を賑わした犯罪・芸能・政治事件の数々を俎上に乗せ、悪意たっぷりに語り合った対談本である。ふたりの論評がとにかくカゲキ。毒舌なんてなまっちろいものではない。悪魔体質、クズ野郎、電波系、そして鬼畜であることを嬉々として標榜するこのふたり、こんなアブナイ本を出版して、はたしてこれから無事でいられるのかどうか、よけいな心配をしてしまうほど。たとえば、「ヤワラちゃんとオリックスの谷佳知外野手」の交際について、こんな調子なのだ。唐沢 「美女と野獣」ってのはあるけどね、「美男と野獣」ってのは聞いたことなかったな(笑)。村崎 ていうかオレ、この報道聞いて、何でパラリンピックでも見てるような感動があったのか不思議で不思議で(笑)。唐沢 だから、スポーツやってるヤツらは頭悪い上に美的感覚もないっていうんだよ(笑)。村崎 ちょっと思い出しちゃったのはさ、昔子どもの頃、ホームルームでみんなの夢を語り合うってのをやってた時に、クラス1のブ×がボソッと「結婚……」とかいって周りが静まり返っちゃったことがあったんだけど、思わずあれが脳裏に浮かんできたな(笑)。 といったやりとりなど、「ヌルい」ほうである。猟奇犯罪事件に関しては、まさに死者に鞭打つような発言、遺族が激怒しそうなコメントの目白押し。とても恐ろしくて、小心者のぼくなど引用することさえビビッてしまう。最後にクリストファー・プリースト『魔法』(古沢嘉通訳/ハヤカワ文庫FT九二〇円)に触れておきたい。